チック症、トゥレット症候群についての理解を深めるために

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はじめまして。普段はネット上では「sasashin0510」だとか「sasashin_875ex」といった名前で活動しています、真といいます。

私は現在14歳で中学三年生です。チック症、トゥレット症候群という病気の患者です。

このブログではもしかしたらこの一記事しか書かないかも知れませんし、何かあれば随時更新していくかも知れませんが、タイトルにもあるように、チック症、トゥレット症候群についての話をしていきたいと思っています。

 

私自身、知識が浅い部分もあるかも知れないので誤った記述をしたりしてしまうかも知れませんが、どうか最後までお読みいただければと思います。

 

 

 

 

チック症とは

チック症とは何か、というお話をさせていただきたいと思います。

私自身医学関係は全く詳しくないのですが、脳の何かしらの異常による病気と捉えています。(この解釈が間違っている可能性もあります...)

実際現在でも詳しい原因等は解明されていないようで、一概にこれが、ということは言えませんが脳の問題ということはなんとなく確かなようです。

 

 

では、詳しい症状としてはどんなものなのか。

簡単にお話をすると、特に小さい子どもによく見られる「くせ」のようなものと考えるのが分かりやすいかと思います。ただ、実際それとはかなり違うものなので簡単に「くせ」と済ませてはいけないものなのですが。

 

なんと言うんでしょう...人によって症状の出方も様々なのですが、一般的に見たら少しおかしい行動などを連続的に(定期的・不定期的など様々)してしまうことがチックの症状とされています。

主に幼少期に発症して、大抵の人が中学生になる頃、すなわち12~14歳ごろには症状が収まってなくなってしまうようです。ですが、症状がそこで収まらないと、長く残ったり、大人になってもずっと症状に悩まされる人もいます。

 

 

 

チック症には大きく分けて2つの種類があります。

運動チック音声チックです。

 

運動チックは、主に体の動作に関するチックです。

例えば、顔をしかめる、まばたきを強くする、素早く連続的にする、手や足で何かしら動作を起こすこともあります。

一見するとただのくせ、というふうに見られやすい気がします。

これらのことを連続的に行ってしまうのが運動チックです。

 

音声チックは、その名の通り、主に音声を発するようなチックです。

例えば、唸り声を上げる、鼻をすする、又は吹く、といった鼻鳴らし、咳払いといったものです。

これらのことを連続的に行ってしまうのが音声チックです。

 

また、今お話した運動と音声のチックで、更に症状が激しくなるものは複雑運動チック複雑音声チックと呼ばれます。

 

複雑運動チックは、もはや癖のようにみられるものではなく、普通の人から見たらおかしな動作です。

痛いと分かっていながら自分の体の一部を強く曲げたり叩いたり、と言った自傷行為を繰り返すものや何もないのに飛び跳ねてしまう、ということもあるようです。

 

複雑音声チックは、これまた簡単に受け入れられるようなものではなく、

汚い言葉、失礼な言葉といったものを言ってしまったり、会話の中に同じ言葉を連続的に何回も入れてしまったり、といったものがあります。

 

ここまで単純なチック、そして複雑なチックを紹介して来ましたが、これらの症状に共通しているのは、本人の意志で症状が出ていないということです。

気がついたときには症状が出ていて、抑えようと思ってもまた勝手に出て、の繰り返しです。

そして、チック症を抱えている人は、主に最初は運動チックなどから始まり、音声チックも混ざってきます。(それでも、症状は人それぞれです。)

恐らく、主観では運動チックのほうが種類も多く、チック症になる人は運動の症状が出やすいです。

基本的には人前ではある程度症状を抑えることが出来ます。が、時間の経過に連れて周りを気にしようと思っても自然に激しく症状が出てしまったり、回数も増えてしまったり、と自分の抑制だけでは打ち勝てないことも多々あります。

 

また、何かしら人の動作を見たりした時にそれを新たなチックとして体が覚えてしまうこともあります。それまで意識していなかったことを強く意識するようになり、新しく症状が出始めることはしばしばあります。

 

 

私の症状

ここまで基本的な例で症状を紹介してきました。

では、実際私真はどのような症状があるのか、というお話をします。

人に話すと恥ずかしいようなこともありますし、実際自分でもどんな症状が過去に出ていて、というのを明確に覚えているわけでもないので挙げられる範囲でいくつが挙げます。

 

まず、運動チックは、

 

・鼻に力を入れる(膨らませる、という方が分かりやすいでしょうか?)

今でも気づいたらたまにやってますね。チック症のことが周りに理解されていないときにはかなり言われましたがそう簡単にやめられるものではありませんでした。

 

・目を強く閉じる

これは、つまりまばたきが強いということなのですが...自分は強く閉じて目に痛みが来ないとスッキリしなくて、しばらく何回も強く目を閉じて、というのを繰り返してしまいます。緊張した時に多く出る傾向にあるかなぁ、と思います。

また、目を強く閉じることで喉にも力がかかり、過去にこの症状が一日に多く出たときには次の日に喉を痛めてしまうこともありました。そもそも、目にもいいわけではないですし大事な瞬間を見れずに逃してしまうこともあります。

 

・顎をガクッと閉じる

口を大きく開けて顎を強くガクッと閉じる症状もあります。すごい痛いです。

これはつい最近はほとんど無いですが、一時期ひどかったときには顎の骨が音を上げていて、もうそれを何回もやるもんですから、症状が強く出ていない今でもこれをやると今までになかった骨の「ピキッ」という音が聞こえます。

恐らく、顎の骨にヒビでも入ってるんじゃないか、というくらいには強く以前とは違う感覚を受けています。調べてないのでわかりませんが。

 

・胸をグーで強く叩く

これは個人的な決まりがあって、必ず心臓がある部分、つまり左胸の辺りを強く叩いてしまいます。

これは先程も記述したなにかから影響を受けて新しくチックになったものです。

人から、とか全く同じことを、ってわけではないんですが、昔テレビで心臓震盪(しんぞうしんとう)について観たときからこの症状は出ています。

心臓震盪とは、心臓に強くボールが当たったりした時に、何千分の一とか何万分の一とかの確率でタイミングが悪いと心臓が止まってしまう、というものだったと思うんですが、それで胸に強くボールが当たって心臓が止まってしまった人の様子や説明を観た後から悪いことだと分かっていても、勝手に自分の心臓をグーで殴るようになってしまいました。これまた緊張した時に出やすいような気がしてます。

これは複雑チックの方に入りますね。

 

・床を触る

色々なものに触れたくなる、というようなものですが、特に床をたくさん触ってしまういことがあります。

もちろんほとんど人がいない所で、ですが学校なんかでも床を手の指先で触ることが多々あります。これはもう小学生の頃からずっとじゃないかなぁ。

他にも、ちょっと気になったところとかは結構触ってしまったりしますね。

これも複雑チックの方ですかね。

 

・パソコンのマウスを強く打ち付ける

このブログを書きながらもたまにやってしまっているのですが、パソコンのマウスを持ち上げてから強く机に叩きつけてしまいます。しかも連続で何回も。

前に使っていたマウスはそのせいかたまに反応がおかしかったこともありました。間違いなく機器が損傷するレベルの強さです。下の階にも強く音が響いています。

マウス自体の衝撃も考えて、マウスパッドは以前のものより分厚い物に変えました。

(2018/04/22追記)

そういえば、コップとかも置く時に気が済むまで強く置くのを繰り返したりしてしまいます。

 

・床に顔をつける

これは今は全くありませんが、小さい頃にやっていたと家族に言われました。

 

 

と、ざっといくつか挙げてみましたが、運動だけでもこれだけあります。というか、書いていないものもまだまだあるしその時の状況によって出る出ないの症状の違いもあります。

恐らく数的にはこれの倍以上あると考えていいと思います。

 

 

次に、音声チックです。

 

・「あっ」と叫ぶ

これは、小学6年生くらいのときに一度出ていて、気がついたら消えていましたが、今度は中2の夏、ちょうど2017年の7月ごろから今も、再発して長く続いている症状です。

正直、これが一番つらいです。一番周りに気づかれやすくて色々と言われてきたものです。

親が私のチック症を発見したのもこれが原因でした。リビングにいても親が部屋を離れると症状が激しく出るのでそれに気づいて...といった感じでしたね。

それで、この症状が本当にきついんですよ。人前じゃないところ、つまり1人で部屋にいたり街を歩いていて周りに人がいないときなんかはもうすごい音量で叫びます。

過去の経験だと、家の外にいても聞こえたと親に言われたことがあるので多分隣の家とかにはギリギリ聞こえてるかも知れないですね。なので、夏場はいくら暑くても窓は開けられないです。近所迷惑どころの話じゃない音量です。

これもかなり連続的に出ますし、基本寝るとき以外はずっと出ているようなものなので呼吸困難になってしまうこともしばしば。

こうしてブログを書いたりと集中しているときには出にくいんですが、ちょっと気を緩めるとかなり出てしまいます。

人前ではだいぶ抑えられていますが、それでも発作的に声が出てしまいますので、いくら音量を抑えていても気づかれることはあります。

授業中、テスト中、始業式などの式典中なんかは静かな空間で隣の人との距離も近いですし、かなり辛い状態です。

休み時間などで周りがざわざわしているときには、大きな声が出ることもあります。基本的に人がいるところでは周りの音量に合わせて「これくらいなら気づかれないかな?」って感じで自分で抑制して調整している感じです。どうしても家にいるときくらい大きな声が出せないとイライラしてしまうような感じです。本当は声が出るほうが嫌なのに。

これからは高校入試などもありますし、ずっとこの症状が続いていくとしたらどうなってしまうか心配で仕方ないです。

歯の矯正?に使うようなスプリント治療のマウスピースのようなものを口に入れると抑えられるというようなこともありましたので、そこまでは行きませんが就寝時にいびきをかかないようにしたり、歯ぎしりを防いだりするマウスピースを買ってみて使っていた時期もありました。

その時は、やはり口の中が抑えられててキツイのもあってか、少し抑えられたり、なぜか時々全く出ない!ということもありましたが、基本的にはそんなに効果はない感じでした。

もし仮に自分の歯の形に合わせて作ったとしても、喋れなくなるようなものをずっと入れているのは苦でしか無いし日常生活で不便です。

 

・鼻をすする、吹く(鼻鳴らし)

これも最近はひどく出るようになりました。友人が話している時に鼻が詰まっていたようで少し鼻鳴らしをしているのを見てから、新しく症状として出始めました。

外部からの影響の症状って本当に怖いです。

鼻水が詰まっていてもいなくても、鼻で息を吹き出したり吸ったりの繰り返しです。

これは人前で症状を抑えるということが難しく、結構目立つように出てしまって周りにバカにされて真似されたりということも多々あります。

そして、強く吹き過ぎると鼻水もどうしても出てしまうことがあります。

学校行事の合唱祭や所属している吹奏楽部で指揮を振る際に、なぜかたくさんの人から自分が注目されているのに指揮を振っている最中にこの症状が強く出てしまったりもします。

結果、気づいている人がどれくらいいるかはわかりませんが、指揮をしながら鼻水が少し出てしまって...なんてこともあります。

最近ではやっぱりこれもかなり自分にとってはかなりつらい症状の一つと言えると思います。

 

 

音声チックは発症すると言われている症状がそもそも少ないのもありますが、自分が気になっているのはこれらくらいかなぁと思います。いずれも運動より目立ちやすいので大問題なんですけど。

 

 

自分が持っている(持っていた)症状をいくつか挙げてみましたが、チック症を持っている方はこれらの症状がたくさん出たり、しかしふとした時には全く出なかったり、という症状の激しさの上がり下がりがすごいです。

ずっと続いているような症状もあれば一日や一週間だけ激しく出たなぁ、というような症状があることもあります。

そこら編の出方だけ気まぐれなのがまた困ったところですね。

 

 

トゥレット症候群とは

さて、ここまでチック症のことについて長々と書いてきました。

ですが、このブログのタイトルではチック症ともう一つ、「トゥレット症候群」というものをあげています。

これは何なのかというと、まあ簡単に言ってしまえばチック症がひどい人に当てはまるものです。

きっちりと「この症状があるから~」と診断される病気ではないのですが、

基本的には運動チックと音声チックの両方の症状が出ていて、1年以上続いている場合にトゥレット症候群と呼ばれるようになるみたいです。

複雑チックも入っていることが条件だったかな?ちょっと曖昧なんですが...

自分は一応病院の方で先生にトゥレット症候群であると診断されています。

 

チック症、というだけだとすぐに治る場合もありますし、あまり気にしていなければそんなに問題も無いこともありますが、長く続いたり症状が激しくてトゥレット症候群とまでなると、かなり重い病気であると思います。

もちろんチック症が基本的なものですから治る場合もありますが、トゥレットになるとかなり普通の人とはかけ離れた状態であるということは確かかなぁ、と思います。

 

あまり詳しくは調べていないのですが、「トゥレット友の会」や「日本トゥレット協会」といったグループもあるようなので、そういったところで詳しく情報もつかめるかと思います。

 

 

 

治療法はあるのか?

治療法は、あるといえばあるし、ないといえばないです。

基本的には薬を服用することでチックの症状を抑える、ということを良くするようですね。

自分の場合は色々と考えたりしていますが今のところは効くかも、ということで「抑肝散加陳皮半夏(ヨクカンサンカチンピハンゲ)」という漢方薬を数日前から飲み始めました。

ストレスによる影響を抑えて自律神経を安定させる、とかそんな感じのようです。

もちろんチックによく効く薬というのもあるのですが、まだ自分は手を出していません。また、人によって薬の効果も良く効く人とそうでない人がいるようです。

一時的に薬で抑えるっていうのもなんか嫌な感じがしますけどね(笑)

あとは、国内で行われた事があるかわかりませんが、脳深部刺激療法という手術を行って劇的に症状が緩和した、という例もあるようです。

あんまり聞かないので詳しくは分からないのですが、脳に一定の電気を機械を使って流し続けることで脳の動きをなんやかんやしてチック症状を抑えられるようです。

何処でどのように手術をすればいいかもよくわかりませんし、そもそもそこまでする人がどれくらいいるかもわかりませんが、そういう方法もあるようですね。

 

結局、本人が治そうと思って簡単に治るものでもないし、だからといってこれをしたら絶対に良くなる、と言い切れるものがあるかというと、微妙な所です。

 

 

皆さんに知ってほしいこと、気をつけてほしいこと

これは、特に今回最も強く伝えたいことです。

ここまでチック症、トゥレット症候群について詳しく語ってきたわけですが、何より皆さんに知っておいていただきたいのは、

冒頭でも書いた通り、ただの「くせ」と言い切れないけど、周りから見るとちょっとへんな人、という印象を持たれる病気であるということ、

そして人によって様々な症状があるから一概に「これがチック症だ」と決めつけられるわけではないこと(私も「この人はそうなのかな?この症状はどうなんだろう...」ってことが結構あります)

です。

そして気をつけてほしいこと、というか患者の人を見かけたときに、どういう対応をすればいいかということです。

これは本当に難しい話になってしまいますが、簡潔に言うと「何もしない」というのが私にとっては嬉しいです。

例外もあるかも知れませんが、基本的にチックを持つ人は周りの人に症状のことについて何か言われたり、気にされたりすると強い罪悪感やプレッシャーを覚えて、更に症状が悪化したり自分自身を責めてしまうことがあります。

患者は何も悪くありません。自然に発症する病気です。本人がそのことを一番分かっていて、自分に言い聞かせることができるためにも、是非近くにそういう方を見かけたらそっとしておいてあげてください。

僕の場合は何も言われなくても振り向かれたりするだけでもちょっとキツイことがあります。とにかく、「苦しいんだろうな」と考えてあげるだけでいいのです。

 

必要なのは周りからの理解です。

私達は普通の人達と同じ生活をできることが嬉しいことです。

できるだけ皆さんと同じようにしていたいので、普通の人として見ていただきたいです。

きっと、症状によっては初めて見たときには面白おかしくて笑ってしまったり真似をしてしまったり、チックであると気づかずに注意してしまうこともあると思います。

ですが、気づいたらその瞬間からでもいいので理解してあげてください。

 

 

あとがき

さて、本当に長い文章を書かせていただきました。

こんなに長文を書き続けたことは今まで無いかと思います。この時点で7000文字近く入力している事になってますね。うひゃぁ。

聞いたことはあったけど、どういうものか詳しく知らなかったという人も、全く知らなかったという人も、この記事を読んで少しでも理解をしていただけていれば幸いです。

 

ちなみに、私が自分の症状がチック症であると気づいたのは、2016年8月31日に日テレ「ザ!世界仰天ニュース」で放送された「人生狂ったナゾの病」という特集でした。

放送本編を観たわけではなく、放送前の番組広告でちらっと目にしただけだったんですが、そこに映っていた再現VTRの男性の行動が、全く同じでなくてもなんとなく自分の行動と共通点があるしすごい理解できる、と思って調べたのがきっかけでした。

その日に母に軽く「自分、これかもしれない」とネットで調べたチック症についてのことをLINEで話しましたが、「ちょっと繊細なだけだよ」と言われて終わってしまいました。

 

それでもやはり症状が悪化してくると気づかれやすくなって、結局一年後、2017年の8月頃に母にチックであるとようやく認められました。

それからは家族間でもやはり症状は出続けるけどずっと我慢したりしてつらい思いをするのも多少は減り、親にも相談できるので学校の先生とも話してクラスの皆に話をしたりもしました。やはりいつも近くにいる人には気づかれていることも多いので、良く一緒にいる友だちなどには事情を説明しています。

ですが、もちろん人に話すのは難しいしなかなか言い出せないこともあります。

だけど、ずっと自分の中でとどめておくのも良くないので、できるだけたくさんの人に知ってもらおうと、最近では気にされたらできるだけ流したりせず軽く説明をしたり、こうしてブログを書いてもっとたくさんの人に知っていただこうとしています。

 

何があっても辛い病気です。何度も言ってしまいますが周りの協力が何より助けになることもあります。どうか、このチック症、トゥレット症候群という病気についてたくさんの方に知っていただければと思います。

 

長く書いてしまいとても読みづらい上に誤字や誤った情報があったかも知れません。何かお気づきでしたらコメントやTwitterにお知らせください。

Twitter: @sasashin_875ex

 

それでは、最後までお読みいただき本当にありがとうございました。

今回の記事は此処で。